かつて『天上の楽園』と言われた山頂湿原。現在は植生復旧中
関東方面からの尾瀬の玄関口・鳩待峠。
ここから大部分の人は北の尾瀬ヶ原に向けて下っていきますが、東に向かう登山道もあります。
これが、かつて『天上の楽園』と言われるアヤメ平への道です。
アヤメ平は尾瀬ヶ原や大江湿原のような湿原ですが、一帯は標高約2,000m弱。
尾瀬ヶ原をとりかこむ山脈の背骨部分にあたり、足元の湿原のみならず、周辺の山々の眺望にも恵まれています。
尾瀬のシンボル・燧ヶ岳・至仏山はもちろん、日光連山や谷川連峰など周辺の山々を一望できます。
また、7月〜8月にはキンコウカの群落が湿原を黄色く染め上げます。
尾瀬は2回目以降で脚に自信がある人であれば、鳩待峠入山→大清水下山(もちろん、逆ルートもあり)の日帰りでアヤメ平を目指すルートも面白いでしょう。
木道整備前の登山ブームの頃には、現在と違い登山者は湿原を自由に歩き回っていました。
その結果、昭和40年ごろにアヤメ平の湿原はあちこちが荒廃してしまいます。
その後の関係各所による地道な植生復元活動の甲斐もあり、現在ようやく往時の姿を取り戻してきました。
とはいえ、湿原の成長スピードは年間でたった1ミリ程度。復旧にはまだまだ時間がかかります。
『アヤメ平』について
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