宝永火口
晴れた日の東海道新幹線や東名高速から富士山が見えることは有名ですが、よーく見ると富士山の右側に巨大な「くぼみ」があります。これが宝永火口。富士宮ルートから富士山に登る場合、この宝永火口を横目に見ながら山頂を目指します。
宝永火口は富士山が江戸時代中期・宝永4年(1707年)に噴火したときの噴火口です。
当時は約100キロ離れた江戸の街でも大量の火山灰が降ったといわれ、噴火の大きさがうかがわれます。
噴火口は直径約1,000m以上あり、山頂火口の約700mを超える大きさです。
噴火から300年を経た現在、当時の火口の底を縦断するトレッキングコースが通っています。
月面のような荒涼とした風景に、日本とは思えないようなスケール感。まっすぐ山頂を目指すルートとは一味違った富士山が楽しめます。
ただし落石が多いので通行時はご注意ください。
富士宮ルート五合目からスタートし、宝永火口を経由、御殿場ルート登山道に合流すれば、宝永火口経由で山頂も踏める…要するにいいとこ取りのコースが作れます。
平成20年、登山好きで知られる皇太子殿下(現在の天皇陛下)はこのルートで富士登山をされました。以来このルートは『プリンスルート』と呼ばれています。
※しかし残念ながら現在、このサイトでお申し込みいただけるツアーではプリンスルートのお取り扱いはございません。
富士宮五合目(標高約2,380m)から富士宮ルートをちょっとだけ登り、宝永火口を経由して御殿場口新五合目(標高約1,450m)に下山するルートもあります。
近年、すでに登頂済の方などを中心にこうした「登らない富士山」が静かな人気を集めています。標高が下がるため、山頂部の山開き期間(7月〜9月上旬)よりもシーズンが長いのもメリット。